2012年09月14日

毛根は死なない

 この春先から抜け毛がひどかったのが、ここ数日でなんとか止まりました。非常に不思議ですが、ひとまずホッと安堵しました。小さい頃から散髪屋に行くと「あんたの髪の毛は太くて多いから禿げないよ」と言わ続けていたのに、抜けているときは「どういうことだよ」といささか焦った。
 ところで数年前、親父が前立腺ガンであることがわかり、前立腺の摘出手術をしました。かつて老衰だと言われていた死因の多くは前立腺ガンだそうで、ガンでもほとんど苦痛を感じないらしいです。術後「見たくない」って言っているのに医者から無理矢理摘出した前立腺を見せられました。それはゆで卵のような白い球体で、ところどころ血に染まっており、卵にジャムをかけたように思えたので、しばらく卵が食べられませんでした。
 そして退院後、親父は女性ホルモンを注射するホルモン療法を開始しましたが、ホルモン療法を開始すると禿げていた頭にみるみる髪の毛が生えてきて、体毛もほとんど落ちてしまいました。存在自体が冗談のような人間だけに、急にこれだけ女性化すると、当時は親父が何か悪ふざけをしているかように思えました。ホルモン療法を終了すると元通り禿げ上がりましたが。元に戻ったときは「禿げたり毛が生えたり忙しいおっさんだ」と母と二人で笑いました。
 話を元に戻すと、禿げた人間の頭にまた髪の毛が生えたということから考えて、「禿げる」ということはよく言われるように毛根が死ぬわけではなく、ホルモンなど内分泌系が加齢により衰えた、あるいは働きが変わったと見るほうが正しいような気がします。したがって単純に考えると禿げたら女性ホルモンを注射すればいいじゃないか、ということになりますが、注射を死ぬまで続けないと意味がない上、体質が女性化するのはどうかと思いますね。事実退院後、家で親父が倒れるということが何度もあり、2度夜間の救急病棟に担ぎ込んだことがあります。これは前立腺を摘出したのでその後遺症かもしれませんが、ホルモン注射の副作用の可能性だってあるわけです。最新のかつら業界でさえ「死んだ毛根を甦らせる」などと言ってるぐらいですから、ハゲと内分泌系の関係はまだ医学的に未知の分野なのか、あるいは危険だとすでにわかっているのか、医学的な知識のない私にはわかりません。
 女の子と話していると「女は男が考えているほどハゲを気にしない」とよく言いますが、男にとってはそれどころではありません。ユル・ブリンナーのようにスキン・ヘッドが似合う2枚目ならともかく、ハゲたらやいのやいの言われるのが目に見えています。私は「ハゲ」と言われて平然としているほど心臓が強くないので、あくまで抜け毛に抵抗して、日々のシャンプーを欠かさないように努力していきたいと思います。

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posted by つばさ at 23:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 随筆 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする