2012年11月27日

東京見聞録

 私は瀬戸内海沿岸のある地方都市に住んでいるのですが、11月23日から25日までの三連休に8年ぶりに東京に行ってみました。なかなか読書も執筆活動も進まないので、個人的な話で大変恐縮ですが、このときの感想を綴りたいと思います。

 東京に行ったといっても、大勢の友達に会って飲んだり、家を訪問することが目的だったので、東京見物はほとんどできませんでした。
 しかし友達はいいものです。バカな話をしても楽しいし、自分について主観的な都合のいい判断しかできないとき、友達の何気ない一言でハッと自分の甘さに気づくことがあります。
 友達と簡単に言いますが、私たちが同じ時間と空間を長く共有できる人間の数は、人生長いと言えども非常に限られています。不思議なことです。いくら意気投合しても互いに共有する時間が短ければ、友達にはなりえません。私たちの交友関係がこのような不確かであいまいな要素、つまり偶然に大きく左右されていることを省みるとき、友達の顔を思い浮かべながらつくづく感慨深くなります。今の友達・配偶者などが自分と強い絆をもつことになんの必然性もありませんが、自分と彼らの間に強い絆が存在することが間違いのない事実であり、そのことを思い起こすと不可思議な感覚に囚われます。
 理屈はともかく、私は神が与えたもうた素晴しい友人たちの存在に感謝し、彼らの期待を裏切らないよう精進していく決意をこの三連休で新たにしました。

 私は1990年代前半に大学生として東京に住んでいました。上京した当初はこの街がもつダイナミズムに圧倒されたものですが、今回上京してみると、それほどのエネルギーを感じませんでした。三連休ということがあったのかもしれません。どこへ行っても巨大建造物が造り主である人間を威圧して、田舎暮らしが長い私は目が回りそうでした。
 一度サラリーマンを辞めて、友人たちに上京する、と宣言したのですが、お金がないため実現できていません。有限不実行をなによりも恥と考える私にとって、上京して働くことは至上命題なのですが、歳を取るとともにだんだん都会に出るのがおっくうになってきました。東京へ出ればいろいろ刺激的なことがあるわけですが、逆に満員電車などストレスが溜まることもいっぱいあります。田舎にいれば刺激はないけれども、ストレスもそれほど溜まりません。都会、田舎の良いところ、悪いところを考えて、どちらに住もうかと思案に暮れているのは私だけではないのではないでしょうか。

 地下鉄丸の内線に乗っているとき、車内で電話をする不届きものがいて、周りの乗客たちが迷惑していました。そこへあるおじいさんがやってきてその若者に、車内で電話をするな、ときちんと注意していました。勇敢なおじいさんがいる、なかなか東京も捨てたもんじゃないな、と感心しました。
posted by つばさ at 22:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする