2012年11月12日

向精神薬、麻薬などのお話

 私が今回薬物をテーマに選んだ理由は2つあります。一つは創作活動において薬物が非常に有効な材料になること。もう一つは私が長い間神経症に悩まされているため、自然と薬物に興味を惹かれ、知識がついてしまうからです。できるなら薬物など取らない方がいい。私の神経症については、このブログは友人・知人の皆さんも見ているため、おいそれと語ることはできませんが、アイデアがまとまったら文章にまとめてみたいと考えています。向精神薬とあわせて覚せい剤・コカイン・ヘロインについて今まで得た知識をお伝えしたいと思います。

【向精神薬・眠剤等】
 心療内科・精神科に通っていると様々な薬を処方されます。私が神経症を発症した当時は「患者は薬のことなど知らなくていい」というのが医者のスタンスでしたが、最近医薬分離が進んで、処方されるすべての薬について簡単な説明書きをもらえるようになりました。そして最近は誰でも気軽に心療内科・精神科を訪れるので、心を病んでいることがそれほど恥ずべきことではなくなりました。周囲にも心療内科に通う人が増えています。
 私が飲んでいるのは眠剤と抗うつ剤、抗不安薬などです。しかし効果があるのは眠剤ぐらいで、抗うつ剤などはただの気休めです。まあ、心の病は不眠から来るので眠れているだけましなのかもしれません。私はうつではないのに抗うつ剤が処方されていますが、結局他に薬がないようです。最近パキシルなどSSRIという新しい抗うつ剤が出ていますが、全く効果がありませんでした。SSRIなど心の病にはやたらとセロトニンの重要性が強調されていますが、なんでもかんでも一緒くたにすると治るものも治りません。私は抗うつ薬で病気が完治したという話を聞いたことがありません。

【ドーパミン】
 セロトニンとは別の脳内物質にドーパミンというのがあります。ドーパミンは集中力・意欲・動作などをつかさどっていると言われます。ラットを使った実験で、ドーパミンを増やした個体は疲れも知らず動き回るのですが、ドーパミンを阻害した個体は完全に意欲を失い、えさを食べず、水も飲まず、そのまま死んでいくそうです。
 心療内科では現在ドーパミンを増やす薬がありません。なぜだろうか、と不思議に思っていたのですが、いろいろ本を読むと、どうもドーパミンを増やす薬は現段階では覚せい剤か麻薬しかないのではないか、という推論に達しました(ドーパミンが不足するパーキンソン病の薬は危険らしいです)。覚せい剤やコカインを投与すると脳内にドーパミンが溢れるようになり、その結果疲れ知らずに動き回り、異様な集中力を発揮するようになるそうです。
 かつて私はメチルフェニデート(商品名リタリン)という薬を服用していました。この薬を飲むと頭がすっきりとして元気になり、集中力が格段に増すのです。しかしリタリンは覚せい剤と化学構造が良く似ているということで、それまでにも問題視されていた薬でもありました。そして2007年東京のあるバカ医者が一度に数百錠のリタリンを処方するという事件を起こし、これ以降リタリンのうつへの適用が取り消され、この薬は歴史の闇の中に葬り去られることになります。私は困りました。医師の指示どおり服用して、なんの副作用もなく、この薬のおかげでようやく仕事ができていたからです。一体行政は何をやっているのだ、と強い不信感を抱きました。

【覚せい剤】
 話は処方薬からイリーガル・ドラッグへと移ります。覚せい剤、麻薬、コカインといった単語をニュースなどでよく聞きますが、これらの違いがなにかわかっていない方が多いと思います。私もきちんと本を読むまで区別がついていませんでした。
 覚せい剤にはメタンフェタミンとアンフェタミンの2種類があり、メタンフェタミンはヒロポンという名で大戦中・終戦直後に日本で広く流通していました。日本ではシャブ、アメリカではアイスとかスピードと呼ばれています。漢薬の「麻黄」から単離されたエフェドリンという物質を化学合成して作られました。発見者が日本人に由来しているせいか、日本で一番普及しているイリーガル・ドラッグです。前述したように体内に入ると、異様に集中力が増し、気分が昂揚、疲れを感じなくます。このような効果があるため大戦中、夜間勤務の軍人や夜間飛行のパイロット、果ては軍需工場の工員までが服用していました。坂口安吾や織田作之助らがヒロポンを使って小説を書き上げたとか、B29を何機も撃墜したパイロットがいるとか、1951年に禁止されるまでいろいろな伝説が残っています。ヒトラーも愛用していたとか。前駆物質のエフェドリンがあればアンフェタミンは簡単に作れるそうで、エフェドリンを風邪薬として売っている米国では素人が勝手に合成して、その過程で爆発をするといった事例もあるそうです。副作用はご存知のとおりで精神的依存度がかなり高い。それから歯ぐきが退化するといった恐ろしい現象もあるようです。
 それからMDMAに代表されるデザイナー・ドラッグも覚せい剤の化学構造を一部変化させたものです。これはセックス・ドラッグと呼ばれていますが、実際はセックスにはなんの役にもたちません。
 またアンフェタミンは米国では痩せ薬として使用されているそうです。ただどの程度の人までが入手可能なのかはわかりません。2001年ごろに痩せる漢方薬が日本に出回って死者が出るなど問題になりましたが、あれにも若干覚せい剤が入っていたそうです。

【コカイン】
 コカインは南米原産でコカという低木の葉から単離します。効果は覚せい剤と同じで集中力が増し、気が大きくなります。自制心を保ったまま快感を得られますが、作用時間は覚せい剤より短いそうです。また覚せい剤と同じで食欲を抑える作用があります。使い方は映画でよく出てくるように、粉を鏡やガラス板の上において、ストローなどで鼻から吸い込みます(スニッフィング)。使用していた有名人はスティーブンソン、コナン・ドイル、H・G・ウェルズ、アレクサンドル・デュマなど数え切れないほどいます(作家が多いのが気になります・・・)。
 ボリビアに行けばみんなコカの葉を噛んでおり、お茶にして飲んだり、あるいはたばこにして吸っています。しかしさすがに精製されたコカインは禁止されています。
 コカインについては欧米で広く普及しており、コロンビアではそのテリトリーについての揉め事や、警察との銃撃戦で多数の犠牲者が出ています。

【ヘロイン】
 世界で最も危険な薬物で、キング・オブ・ドラッグです。ケシの実に傷をつけて出てくるのがアヘンで、アヘンの主成分がモルヒネです(モルヒネも立派な麻薬)。そしてモルヒネを化学合成して作られたのがヘロインです。ヘロインはダウナーと呼ばれ、覚せい剤やコカインのようなアッパーとは違い、服用するとひたすら脱力と安心を促し、恍惚として、無為に過ごせる時間を与えてくれます。使用法はほとんど静脈注射です。使用した有名人はジャン・コクトー、ボードレール、エドガー・アラン・ポーなどとまたまた作家が多くなってしまっています。
 ヘロインはモルヒネの10倍の鎮痛・麻酔作用をもつと言われますが、禁断症状は非合法ドラッグの中で最も辛いものです。自律神経の嵐、全身の筋肉や骨に激痛が走り、すさまじい悪寒が襲ってあまりの苦痛に失神する人さえいます。

【マリファナ(大麻)、LSD】
 私は個人的に興味がないのでこの2つは簡単に述べさせていただきます。マリファナについては以前から人体にさほど悪影響がないと言われていました。私の友人がオランダでマリファナを試したそうですが、酒を飲んだときのように腹にズドーンと衝撃があったそうです(オランダではマリファナは合法)。それから強烈に腹が減るため太るらしいです。
 11月8日の朝刊に米国のコロラド州・ワシントン州でマリファナが嗜好品として合法化するという記事が出ていました。連邦政府はマリファナを非合法としているため、司法現場が混乱するのではないか、との懸念があります。
 LSDは単なる幻覚剤です。私は興味がありません。

【最後に】
 非合法薬物に対する各国の対策は様々です。コカインを例に挙げると、米国では末端の売人・バイヤーに対しても警察は厳しい取締りをしていますが、英国では何か街中で問題を起こさないかぎり、末端の売人や買い手が捕まることはありません。
 それからヨーロッパでも裕福な国スイスで以前ヘロインが社会問題になったことがありますが、このときヘロインを買えない中毒患者に病院が無料でヘロインを配布したそうです。この対策には賛否両論がありますが、結果として中毒患者による犯罪が60%減り、常習者に使われる税金も半減したそうです。
 麻薬は強盗や窃盗、殺人のような犯罪とは明らかに違うわけですから、麻薬常習者を他の犯罪者と一緒に扱うべきではありません。なぜなら彼らは誰にも迷惑をかけていないのですから。自分が痛い目にあっているだけなのです。彼らの体験談を聞くと悲惨です。したがって官憲が闇雲に上から押さえつけるのではなく、薬物と共存できる社会を築くことが必要だと私は痛切に考えます。麻薬や覚せい剤で中毒になる人は確かに多い。しかしそれらとうまく付き合って人生で成功している人もいるのです。要は服用量の加減ができるかできないかの違いです。さらに別の見方をするなら、今日本で年間3万人もいる自殺者の中の何割かは薬物をうまく使うことで救うことができるのではないかと考えます。バカとはさみは使いようと言います。薬物はけしからんと一方的に上から押さえつけて禁止し、手を出したから刑務所に放り込むという行政は、単純で愚鈍です。例えばガン患者に対するモルヒネの使用量は日本は先進国の中で最低です。麻薬は恐ろしいという先入観だけでモルヒネの使用をためらっているそうですが、痛みをとったほうが長生きするそうです。日本の単細胞な行政をあらためて、薬物も場合によっては役に立つということを役人たちには認識してもらいたいです。
 頭ごなしに薬物を禁止して、一番利益を得てるのはアンダーグラウンドで法外な値段をつけて薬物を売りさばく暴力団やマフィアです。無条件の禁止で逆に悪いやつが利益を得るということは禁酒法時代の米国の例を見れば明らかです。今の役人にはもっと物事を多面的に見てその結果を考察することを強く望みます。


posted by つばさ at 00:39| Comment(1) | TrackBack(0) | 随筆 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うつの薬で心の問題のうつがそもそも治るはずがありません。飲んで効くのは眠剤くらいです。
私もうつでも名井のに3カ月もうつ病と診断され無理やり大量の薬漬けにされて、今度は3日間も目がギンギンで眠りたくても寝られない、髪が突然天然パーマになるなどとんでもない身体にさせられました。
Posted by at 2015年07月18日 20:56
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