2013年06月28日

映画『フラッシュダンス』と80年代音楽シーン

 最近、小説のプロットを考えていて、「女の子のダンサーを主役にしよう」と思い立ったのですが、ふと『フラッシュダンス』という映画のことを思い出し、「盗作になってはいかん」と思って、慌ててツタヤで借りてみました。実際見てみると私が考えていたプロットとは似ても似つかぬ内容だったので安心しました。
 『フラッシュダンス』は1983年公開の映画です。当時私はまだ小学6年生だったのでリアルタイムでこの映画を観たわけではありませんが、かなりヒットして話題になっていました。

【あらすじ】
 アレックスは昼は鉄工所で溶接工として、夜はナイトクラブのダンサーとして働く18歳の女の子。夢であるバレエダンサーを目指している。プロのフィギュアスケーターを目指しながら同じクラブで働くジェニーとは大親友である。ある日たまたまクラブに来た鉄工所の社長のニックがアレックスをみそめて、アタックを開始するが、彼女は「上司とは食事をしない」と誘いをはねつける。
 アレックスはある日その土地(ピッツバーグ)の名門バレイ団に入団の申し込みに行くが、全くキャリアのない彼女は気後れして申し込みもせずに逃げ帰ってしまう。そんな彼女を元バレリーナの老女ハナが優しく見守る。
 ある夜、近くのストリップバーの客引きのジョニー・Cにからまれたアレックスは、ニックに窮地を救われ、二人の関係は近づく。そしてアレックスはあっさりとニックに体をゆだね、二人の関係がはじまる。
 ジェニーはフィギュアスケートのオーディションに参加するが、2回転倒し、立ち上がれないままオーディションを終えてしまう。家族に励まされた彼女であったが、フィギュアスケーターになれなかったショックは大きく、ジョニー・Cに誘われるままストリップバーで働くようになる。それを知ったアレックスはジェニーを店から引きずりだし、「あんた、こんなことして恥ずかしくないの!」と叱り飛ばす。
 アレックスはハナと訪れたクラシックバレイの会場でニックが他の女性を車にエスコートしている現場を目撃し激怒するが、その女性が別れた元妻であることがわかり仲直り。バレイ団にオーディションの申し込みをする。
 オーディションの申し込みに合格したアレックスは狂喜するが、それはニックがコネを使って合格したものとわかり「自分の力で合格したかった」と激怒する。
 しかしハナの死、そしてニックの厳しい言葉により、自分が甘かったことを知り、オーディションを受ける決意をする。
 オーディションではブレイクダンスも取り入れた斬新過ぎるダンスで審査員を魅了し、オーディション終了後迎えに来たニックと抱き合う。

【私の所感】
 この映画はちょうど30年前に公開されたものであり、おかしなところが満載されていると同時に、私が青春時代を送った80年代をフラッシュバックさせてくれる作品でもありました。
 一番変なところはラストシーンですね。真っ黒なレオタードにトーシューズもはかずに審査員の前にあらわれたアレックスに審査員は誰一人驚かない。ここで驚いておいてアレックスのダンスに共感を示すのはわかりますが、踊る前に何の反応も示さないのは不自然極まりなかったです。
 おそらくこの映画のメッセージとして「古い体制の打破」というのがあるのだと思います。私にはクラシックバレイというのはドイツ以東の中東欧の文化なのかな、というイメージがあり、実際映画に出てくるバレイダンサーたちはみんな純粋な白人です。そこへあきらかな混血であるアレックス役のジェニファー・ビールスをあてているところ、そして彼女が真っ黒なレオタードにトーシューズもはかずにダンスを踊るところなどに、製作者の明確な意図を感じます。
 またアレックスが教会に懺悔に訪れたとき、神父に「またセックスのことを考えてしまいました。いけないことです」と告白しますが、そのあと簡単にニックと関係を持ってしまいます。これも旧体制の打破なのでしょうか(苦笑)。

 オーディションの合格にニックが根回しをしていたとわかってふてくされたアレックスにニックはこんなことを言います。
“The truth is, you're scared shitless of going that place, aren't you ? And you're using me as an excuse not to go. You're just going to piss it all away, Alex. Don't you understand ? When you give up your dream, you die.”
(真実を言おう。君は怖がっている。ぼくを口実にオーディションから逃げている。君は負け犬だ、アレックス。夢を捨てるのは、死ぬことと同じだ)
 重い言葉だと思います。新人賞から逃げ回って現実逃避している私にはガツンときました。

 この映画を別の側面からみると、サウンドトラックと映画が車輪の両輪のような関係にあることがわかります。シーンがかわると突然サウンドトラックの曲が流れて、映画の流れが止まる恐れがあっても強引に音楽を流しています。私が知っている限り、映画とサウンドトラックがコラボした最初の作品ではないでしょうか。
 ともかくアイリーン・キャラが歌う主題歌の『フラッシュダンス・・・ホワット・ア・フィーリング』は相当売れました。すごくいい曲です。この曲がなければ映画は全く売れなかったかもしれません。日本でも『スチュワーデス物語』の主題歌に使われ、今の若い方でもこの曲のメロディーを一度は耳にしたことがあるはずです。この曲は何度聞いてもいいです。

 この1年後サウンドトラックと映画がコラボした『フットルース』という作品が公開されます。この映画のサウンドトラックは空前の大ヒットをしたので、また後日紹介したいと思います。

【80年代のミュージック・シーン】
 私は80年代に青春時代を過ごしたので、この時代の音楽には特別な思い入れがあります。MTVと連動した80年代音楽を「商業主義に迎合している」と批判する人がいますが、それは間違いだと思います。心に残る名曲が数多く登場しましたし、したがって音楽バカの私は3400曲以上iphoneに曲を入れていますが、曲の中で半分以上はこの時代の音楽です。
 私の音楽への入れ込み方は記事を何回かにわけないと紹介しきれませんが、1983年について言えば、マイケル・ジャクソンの『スリラー』がモンスターヒットを記録しました。これだけ売れたアルバムは世界で他にないそうです。私はお金がなかったので、マイケルの曲はFMラジオで聞くぐらいでしたが、中学に上がってMTVで動くマイケルを初めてみたときはものすごい衝撃を受けました。海外アーティストの動く映像をみる機会は当時ほとんどなかったからです。そしてもっと衝撃だったのはビデオクリップで流れるマイケルのダンスでした。私がみたのは『今夜はビートイット(Beat It)』だったのですが、後半20人ぐらいの人が一糸乱れぬダンスを披露します。それはあまりに美しく、かっこよく驚異でした。元々音楽好きだった私はMTVを通じてますます音楽に傾倒していきます。


 当時の音楽シーンについてもこれから漸次ご紹介していきたいと思います。若い人には何のことかわからないと思いますが、私と同年代の人には共感していただけるかな・・・と思っています(冷汗)。
posted by つばさ at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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